1.子宮鏡(子宮カメラ)検査
子宮の入り口からカメラ(ファイバースコープ)を入れて子宮腔の様子を撮影し、子宮内腔の病変・奇形・異物やポリープの有無を調べる検査です。
- ・月経開始の受診の受診時に打ち合わせをします
- ・6ヵ月以内のクラミジア抗体検査と感染症検査の結果が必要です
- ・検査同意書をご提出ください
- ・月経開始8日目~11日目のAM(土曜日を除く)に実施します
1.適応
- ①不正子宮出血,過多月経
- ②不妊症,不育症
- ③子宮卵管造影に異常所見のある症例(子宮内の腫瘤性病変, 子宮奇形など)
- ④子宮内腔病変(腫瘤性病変や癒着病変)―子宮内膜ポリープ,粘膜下子宮筋腫
- ⑤子宮内異物(子宮内避妊具)
- ※子宮体がん検診(子宮内膜細胞診)に異常所見のある症例 など
- ※子宮内の悪性の疾患が疑われる場合にも行うことがあります
2.検査の流れ
来院
- ・打合せでお伝えした時間にご来院ください。打合せでは、痛み止めの座薬をいれる時間もお伝えしています。
局所麻酔
- ・カメラを入れる時に多少痛みがありますので、検査の前に膣に局所麻酔(スプレーとゼリー)を使用します。
- ・排尿後、待ちください
子宮鏡(子宮カメラ)検査
- ・お呼びしましたら検査室に入室し、診察台に足をかけて横になってください。
- ・検査の前後に腟洗浄を行います
- ・子宮腔内の映像を確認しやすくするために温めた生理食塩水を流して、子宮の中を少し膨らませながら検査を行います。この時下腹部に張った感じがありますが、短時間なので頑張ってください。
結果説明
- ・ショーツをはくさいに生理用ナプキンを装着してください
- ・診察室で録画映像を見ながら 結果をご説明します
3.子宮鏡(子宮カメラ)検査の注意点
以下のような症状があれば 至急 連絡をしてください
3-1.穿孔
稀にカメラ(ファイバースコープ)により子宮の穿孔をおこすことがあります。穿孔が疑われる場合には、入院安静などの経過観察を行うことが必要です。
3-2.水中毒
- ・生理食塩水を流しながら検査を行いますので、一気に水分が吸収される可能性が有り、「水中毒(※水のため血液が薄まる状態)」になることがあるとされています。
- ・子宮鏡検査で水中毒が起こることはほとんどないと考えられていますが、もし発症した場合には、血液中の成分を整える点滴などを行うことが必要な場合があります。
3-3.菌の侵入
- ・生理食塩水が骨盤内に流れていく検査のために、腟・子宮及び卵管に潜んでいる菌が骨盤内に入り込む可能性があります。対処として、検査前には感染症検査とクラミジア検査を行い、検査後は抗生物質を処方しています。
- ・卵管の閉塞がある場合には、検査後に卵管内に水分が残り、そこに菌が繁殖して「卵管留膿症」を発症することがあります。検査直後に発症するものではないので、検査後の経過の中で症状(下腹部痛・発熱など)があればお伝えください。治療が必要となる場合があります。