基本的な不妊治療の流れ
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タイミング療法
(初診~1年間)排卵日の前後で性交し、妊娠を目指す方法です。内田クリニックでは約半数のご夫妻がタイミング療法によって妊娠されています。
ホルモン検査・頸管粘液検査・経腟超音波検査と、基礎体温表の記録により排卵の時期を予測し、医師から性交のタイミングを伝えます。 -
排卵誘発剤と
タイミング療法
(3ヵ月~1年間)タイミング療法に「排卵を促すホルモン剤(排卵誘発剤)」を加える方法です。排卵誘発剤には内服薬と注射薬があり、個人に合わせて薬の選択や量の調整を行います。
原則として、3周期の治療後には治療をお休みする周期をつくります。
※使用時にはご夫妻の同意書が必要です。 -
人工授精
(3ヵ月~1年間)排卵の時期に、子宮内に調整した精子を注入する方法です。精子が子宮内に入ってから卵管を通って卵子と出会い、受精し妊娠する過程は自然妊娠のときに女性の体内で行われる経過と全く同じです。
自然周期、または排卵誘発剤の併用など、治療方法は様々です。
※ご夫妻の同意書が必要です。 -
高度生殖補助医療
採卵…卵子を体外に取り出します。
体外受精・顕微授精…採卵後、卵子と精子をかけ合わせて受精させ、3~6日培養したのち、移植します。
凍結融解胚移植…受精卵を凍結保存し、採卵した周期とは別の周期で融解・胚移植を行います。
※ご夫妻の同意書が必要です。
※治療の流れは、ご夫妻の年齢・問題点また治療歴やご夫妻の治療方針などで変わります。
先進医療
先進医療とは?…厚生労働大臣が認める高度な医療技術や治療法のうち、有効性・安全性の一定基準を満たしているが保険対象外(費用自己負担の自費診療)の検査及び治療のことです。 先進医療に該当する医療技術は、厚生労働省に届け出をし、認可を受けた施設においては、保険診療との併用が可能となります。
厚生労働省が不妊治療における先進医療として認めているもの11項目中、内田クリニックでは10項目について、厚生労働省の認可を受けています。2023年11月21日現在は10項目中8項目を行っています。
治療(先進医療)
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タイムラプス
タイムラプスとは、定位置で一定間で隔撮影した写真を連続で映し出すことで、静止画を動画のように見ることが出来る技術です。その技術を生殖補助医療における卵子・精子・受精卵(胚)を取り扱う培養器(インキュベーター)に組み込んだものが「タイムラプスインキュベーター」です。観察のために培養器から出し入れするという負担を胚にかけることなく、発達の段階を細かく記録することができます。
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SEET法
胚移植の前に、子宮腔内に胚培養液を注入し、子宮内膜を刺激します。
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子宮内膜擦過術(内膜スクラッチ法)
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PICSI
成熟した精子のみがもつ、ヒアルロン酸に付着する性質を利用した精子選別方法です。通常のICSIでは運動性や形態学的な部分での選別になりますが、PICSIでは形態学的判断では分からない、遺伝子異常(DNA損傷)のない成熟精子を選別することが可能とされています。
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膜構造を用いた生理学的精子選択術
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二段階胚移植
一度の周期に時期をずらして初期胚を1個、胚盤胞を1個移植します。自然の妊娠では受精した胚が成長をしながら卵管を通り、子宮内膜へと到達します。この成長の過程で胚は子宮内膜へシグナルを送り、着床に向けての準備を行います。2段階胚移植では、初期胚のシグナルによって着床しやすくなった子宮内膜に胚盤胞を移植して、より高い確率で妊娠を期待します。
検査(先進医療)
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子宮内細菌叢検査
子宮内フローラ検査を行い、子宮内の環境が受精卵を受け入れるために適した状況であるかを検査します。同様の検査としてEMMA・ALICE検査も可能です。
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子宮内膜受容能検査
「着床の窓」を調べ、最適なタイミングで胚移植を行うための検査です。ERPeak検査またはERA検査を行います。
着床の窓…胚移植の最適な時期。個人差があります。
治療費
生殖補助医療診療費(保険)
●基本診察料(1周期)
生殖補助医療管理料(治療計画書)・・・・・・・ 900円
診察(超音波検査+ホルモン検査)+使用薬剤(注射、内服、坐薬) = 3~5万円程度(3割負担の場合)
●採卵周期(1周期)の診察料(基本診察料が加わります)
管理料 | 採卵 | 体外受精 | 顕微授精 | 初期胚培養 (前期培養) |
胚盤胞培養 (後期培養) |
胚凍結保存 |
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固定費 | 9,600円 | 9,600円 | – | – | – | – |
1個 | 7,200円 | – | 11,400円 | 13,500円 | 4,500円 | 15,000円 |
2~5個 | 10,800円 | – | 17,400円 | 18,000円 | 6,000円 | 21,000円 |
6~9個 | 16,500円 | – | 27,000円 | 25,200円 | 7,500円 | 30,600円 |
10個以上 | 21,600円 | – | 35,400円 | 31,500円 | 9,000円 | 39,000円 |
新鮮精子加算 3,000円 | スプリット管理料 4,800円(※1) 卵子調整加算 3,000円(※2) |
新鮮胚移植 22,500円 | ||||
凍結保存管理料 10,500円(※3) |
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(※1)スプリット管理料・・・体外受精管理料×50% (※2)卵子調整加算・・・卵子活性化処理、カルシウムイオノフォア など 顕微授精の場合行う (※3)胚凍結保存維持管理料・・・(1年に1回、3年まで) 凍結保存の開始から 1年を経過して凍結胚の管理をおこなう場合に必要です。凍結保存の開始日から起算して3年を限度と しています。 妊娠などで治療を中断した場合は全額自己負担となります。 |
●融解胚移植周期(1周期)の診察料
高濃度ヒアルロン酸含有培養液 ・・・・3,000円
アシステッドハッチング ・・・・・・・3,000円
●先進医療(自己負担)※保険診療との併用が認められています ※自治体の助成対象です
治療 |
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PICSI・・・・・・18,000円 (ヒアルロン酸を用いた生理学的精子選択術) 膜構造を用いた生理学的精子選択術・・・・・・33,000円 タイムラプス・・・・33,000円 (タイムラプス撮像法による受精卵の胚培養) SEET法・・・・・・55,000円 子宮内膜擦過法・・13,600円 (子宮内膜刺激術) 二段階胚移植 (新鮮胚移植)・・・77,000円 (凍結融解胚移植)・120,000円 |
検査 |
子宮内膜受容能検査 (ERPeak) 子宮内膜細菌叢検査 (子宮内フローラ) CD138 ※料金は別紙参照 |